INNA HOUSE

2021年12月、180名以上の方から寄付をいただき、シェルターをオープンすることができました。

シェルターは「INNA HOUSE」と名づけました。
「INNA」という言葉は、現地のラニ族の言葉で「母なる大地」という意味があります。

INNA HOUSEという母なる大地から、愛をたくさん受け取って成長して、広い世界へと羽ばたいてほしい、という願いを込めています。

なぜ学校ではなくシェルターなのか。

なぜ物乞いをやめさせないのか。

子どもたちは毎日、朝から晩まで、クラブやレストランの前で物乞いをしていますが、ひどい暴力を受けることもありますし、疲れた子どもたちがストリートで眠っている間に誘拐される事件もありました。本当は、今すぐにでも物乞いをやめさせて、学校に通わせたいと思っています。しかしやめさせられないのには理由があります。

物乞いをせずに一日学校に行けば、その日食べるご飯を確保することもできませんし、彼らが物乞いという仕事で家族の生計を担っているからです。

 彼らは元々ニジェールのサハラ砂漠で暮らしていました。地球の自然と共に生き、過酷な砂漠の環境を生き延びる術を身につけてきました。だからそもそも彼らには「働いてお金を得る」という概念がありません。また「学校に行く」という概念もないので、英語の読み書きなど働くために必要な基本的なスキルを身につける機会もありません。

 今の親の世代が子どものときにガーナに逃れてきましたが、彼らが子どものときは今の子どもたちと同じように物乞いをしていました。学校に通わせようとすると、親たちから猛反対を受けます。怒って危険を顧みずに子どもを連れてニジェールに帰ってしまった家族もいました。そのため、時間の決まっている「学校」ではなく、経済的に自立する方法を身につけ少しずつ物乞いの生活から抜け出せるよう、「家」であり「学びの場」でもあるシェルターを運営することにしました。

10歳くらいの子どもたちには、簡単な計算やアルファベットを教えています。

10歳以下の小さな子どもたちは、塗り絵や迷路ゲームをメインに、まずはペンを持って机に向かうということなど、少しずつ教えていっています。

子どもたちは今まで物乞いしかしてこなかったので、家で生活する上で必要な知識が何もありません。体を綺麗に保つなど、基本的なことも教えられたことがありません。

幼い子は教えると吸収してくれるのですが、高校生くらいの年代の子にとってはなかなか習慣を変えるのは難しいです。子どもたちを無理に変えることはしたくありませんが、砂漠ではないこの社会で生きて行くためには、どうしても今の習慣を変えてもらう必要があります。どう伝えたら分かってもらえるのか…。これが今直面している最も難しい問題です。どうすれば良いか、今もずっと悩んでいます。

今後どのようにシェルターでの活動を拡大して行くか、今はまだわかりません。しかし、シェルターにいることで子どもたちの安全が守られていることは確かです。

ここ2-3週間、子どもたちがシェルターで寝るようになってから、誰もマラリアにかかっていません。これはとても大きな一歩です。マラリアにかかると、一気に40度以上の高熱が出て、息もできなくなります。三日以内に薬を飲まないと死んでしまうほど恐ろしい病気です。路上ではなく屋内で眠ることができるので、蚊から守られていることは確かですが、それ以外にもシェルターで一日3食、栄養のある食事を摂れるため子どもたちに免疫力がついたことも大きな理由として考えられます。

そして、シェルターという居場所があることで、紛争が続いているニジェールに戻る必要がありません。先月も、彼らの元いた地域を武装集団が襲い、200人近くの人が命を奪われました。

改めて、サポートしてくださっている皆様に心から感謝申し上げます。

これからも、INNA HOUSE をよろしくお願い致します!


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